菓子作りは、最高の材料を選ぶところから始まります。和菓子は自然な素材の持ち味が風味に生かされます。 ですから、素材がよりすぐれた品質でなければなりません。毎年、天候不順やら日照不足やら、材料となる豆類や穀類は自然が相手ですので、大変さはあります。
当社では、つねに良質な材料の確保を最重要課題として取り組んでいます。当社と生産者・仕入れ会社とで築いた長年の信頼関係と実績が、 質の良い材料の確保には不可欠です。
また、和菓子の材料は、ほとんどが植物性です。 抗酸化効果がある小豆のポリフェノール、食物繊維を多く含む寒天など、 和菓子は健康志向の食品として注目されています。 また、天然の着色料を使用するなど体にやさしい菓子づくりを進めています。
職人たちによって長い年月を経て培われてきた技術があります。素材のぬくもりを手先で感じ取り、一品一品に真心を込める妙技。伝統を重んじながらも、けっして革新を忘れないそれは単なる製法ではなく、ものづくりにかける想いそのものだと考えています。
素材の状態を確認するのも、鍋で煮上げるのも全て人の手で行っています。仕入れた素材の持ち味、気候によって焼きの加減をしたり、味をつけるタイミングを変えたり。長年携わってきた職人の腕で、変わらぬ味をお届けしています。
当社の工場の真横には西城川がながれております。西城川は中国地方一の大河、江の川の源流となっており、清流と緑につつまれるきれいな川です。
近年になって自然環境の大切さをやっと認識するようになって参りましたが、水道水を飲んでも分かるように、一度変わってしまった水はどんなことをしても元に戻すことは出来ません。
水質が変化したとするとお菓子における味、或いは香りの微量成分への影響は計り知れないものがあります。
今ある恵まれた自然環境を如何に守り、育て、更に良い姿で次の代に伝えることが大きな責務であると考えます。代々の先祖が培ってきた精霊な水の恵みに感謝。
伝統を守る、材料を厳選する、という事は、 今なお、努力し、進歩し続ける、物を見る目を磨き続けないと保っていけないのです。
今の時代の皆様においしいといっていただくために、変化しなければ伝統などありえないのです。ただ同じものを守り、同じことを続けていたのでは、やがては衰退していきます。
お客様に喜んでいただくためには、原点を見つめながら、常に新しいものを取り入れていく必要があると感じています。